~桐タンスのリメイク~
何十年か使用されていない桐タンスのリメイクのご依頼がございました。
先代のおばあ様がご使用されてきた物で、長年使用されてなかったようです。
表面はキズ以上に、日焼けによるダメージが目につきます。
金具の方も、錆や変形や色落ちなど、経年劣化が著しく出ておりました。
また、引き出しの中も虫食いが見られまして、使用できる段階までの手入れが多く必要な物でした。
損傷も激しいため、当初は処分も検討されてましたが、ご家族のタンスに対する思い出やストーリーを伺っているうちに・・・
このタンスの価値観は、こちらのご家族にしか共有できないと思いまして、リメイクをご提案させていただきました。
~リメイク完了~
綺麗に仕上がりました。
金具を取り外し、表面を削り、陥没やえぐれはとの粉で補修いたしました。
金具も錆びを落とし艶消しの黒を重ね塗りしていく事で、品と深みのある色に落ち着きました。
今回の桐ダンスは「3方桐タンス」で前面と側面は桐を使われていて、後面は桧材でした。
こちらも損傷が多かったので入れ替えさせていただきました。
~後面を利用して引出の補修~
虫食いが激しかった引出しの中は、外した後材のキレイな部分を利用して補修いたしました。
タンスの補修は、新しい部材を入れて直す事も行いますが・・・
既存の使用できる部材を付け替える事により、純粋にそのタンスの歴史を引き継ぐ事も強くなり、愛着も湧いてくるのかと思います。
今回はお客様のタンスに対する物語を加味いたしまして、このようにリメイクさせていただきました。
長年お家に置いてある家具は、その家の護り神のようにも思えます。
リメイクされたタンスが先代のおばあ様の想いと共に、今後もお家を護っていく存在になれたらうれしいですね。